「登録料を払ったのに案内された仕事が実在しなかった」「高額なサポートプランを契約させられた後、連絡が取れなくなった」――副業をきっかけとした消費者トラブルは、消費生活相談の中でも相談件数の多い分野の一つです。被害に気づいたとき、どこに相談すればよいかは状況によって異なります。この記事では、副業詐欺に関する主な相談窓口と使い分けの考え方を整理します。
お金を支払ってしまった後の返金の考え方や証拠整理については、詐欺被害の返金に関する相談情報サイトもあわせて参考にしてください。個別の返金可否を保証するものではありません。
主な相談窓口と役割の一覧
| 窓口 | 連絡先 | 主な役割 |
|---|---|---|
| 消費者ホットライン | 電話188 | 最寄りの消費生活センターへ接続。契約トラブルの助言・あっせん |
| 警察相談専用電話 | #9110 | 詐欺被害の相談。緊急性が高い場合は110番 |
| 法テラス(日本司法支援センター) | houterasu.or.jp | 法制度や相談窓口の案内。条件を満たせば無料法律相談 |
| 金融庁 金融サービス利用者相談室 | fsa.go.jp/receipt/soudansitu | 投資まがいの副業案件など金融関連の情報提供・相談 |
| 振込先の金融機関 | 各行の窓口 | 振り込め詐欺救済法に基づく口座凍結等の相談 |
状況別の相談先の使い分け
1. 契約の解除・返金を交渉したい場合
まずは消費者ホットライン188から消費生活センターに相談するのが基本の流れです。取引の類型(通信販売、電話勧誘販売、業務提供誘引販売取引等)に応じて、クーリングオフや取消しなど利用できる制度の助言を受けられ、事業者との間に入るあっせんが行われる場合もあります。
2. 詐欺として刑事面の相談をしたい場合
相手と連絡が取れなくなった、明らかに虚偽の説明で金銭をだまし取られたと考えられる場合は、警察相談専用電話#9110や最寄りの警察署に相談します。被害届や告訴の相談は、証拠がそろっているほど話が進みやすいとされています。
3. 法的手続き(訴訟等)を検討したい場合
被害額が大きい場合や事業者が交渉に応じない場合は、弁護士への相談を検討します。弁護士の心当たりがない場合は、法テラスで制度や窓口の案内を受けられます。収入等の条件を満たせば無料法律相談や弁護士費用の立替制度を利用できる場合があります。着手金・報酬金の目安を含めた弁護士費用の相場と法テラスの活用も参考にしてください。
4. 投資型の副業案件だった場合
「AIによる自動売買で運用する」など投資の要素を含む案件は、無登録業者による違法な金融商品取引に該当する可能性があります。金融庁の金融サービス利用者相談室への情報提供や、金融庁が公表している無登録業者に関する注意喚起情報の確認が参考になります。無登録業者の見分け方や金融庁の登録業者検索の使い方はAI自動売買・AI投資型副業詐欺の手口と相談窓口で詳しく解説しています。
この節は2026年10月21日に一次資料を基に追加した一般情報です。ページ上部の監修表示は、この節の専門家による確認を示すものではありません。
副業詐欺を警察・弁護士に相談するとき
お金をだまし取られた、連絡が取れなくなったという段階では、警察への相談と、返金を求める手続きの相談を並行して進めます。窓口ごとに「できること」が違うため、目的に合わせて使い分けます。
| 相談先 | 向いている状況 | 伝えること |
|---|---|---|
| 警察相談専用電話 #9110 | 被害届を出すか迷っている、どの警察署に行けばよいか分からない | 勧誘の経緯、支払った日時・金額・方法、相手の連絡先 |
| 最寄りの警察署 | 被害届を出したい、相手と連絡が取れない | 上の内容を時系列にしたメモと、振込明細・やり取りの画面 |
| 振込先の金融機関 | 銀行振込で支払った | 振込日・金額・振込先口座。振り込め詐欺救済法に基づく口座凍結を相談できる場合がある |
| 弁護士(法テラス経由も可) | 返金を求めて交渉や裁判の手続きを取りたい | 契約書面、支払いの記録、相手の事業者情報 |
警察は刑事事件として捜査するかを判断する機関で、返金の交渉は行いません。返金を求めるなら、消費生活センター(188)での助言や弁護士への依頼を合わせて検討してください。流れの詳細は副業詐欺を警察に相談する流れにまとめています。
統計で見る副業詐欺の相談
この節は2026年10月23日に一次資料を基に追加した一般情報です。ページ上部の監修表示は、この節の専門家による確認を示すものではありません。
警察庁は令和7年(2025年)から、副業を名目に現金などをだまし取る「副業詐欺」を特殊詐欺の手口として数え始めました。令和7年の認知件数は2,071件、被害額は35.8億円で、特殊詐欺全体の認知件数の7.4%にあたります(警察庁「令和7年における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について(確定値)」)。一方、国民生活センターに寄せられる「情報商材」の相談は2023年度6,256件、2024年度4,163件、2025年度2,623件と減っていますが、情報商材をきっかけに高額なサポート契約を勧誘される事例は続いています(国民生活センター「情報商材」、2026年7月31日更新)。いずれも2026年10月23日確認。
警察庁の数字は警察が詐欺として把握した件数、国民生活センターの数字は消費生活センターに寄せられた契約トラブルの相談件数で、数え方が違います。どちらの窓口に先に相談しても、もう一方を案内されることがあります。
相談前に準備しておきたい記録
- 契約書・申込画面・利用規約のスクリーンショット
- 広告やLP(ランディングページ)の表示内容(「誰でも」「簡単に」等の文言を含む画面)
- LINEやメールでのやり取りの履歴
- 支払いの記録(振込明細、クレジットカード明細、決済完了メール)
- 相手の事業者情報(社名、住所、電話番号、特商法表記)
事業者情報の確認方法は、副業案件の特商法表記の確認方法とチェックポイントで詳しく解説しています。時系列で「いつ、誰から、どのような説明を受け、いくら支払ったか」をメモにまとめておくと、どの窓口でも相談がスムーズに進みます。
相談をためらわないことが重要
副業詐欺の被害は「自分にも落ち度があった」と感じて相談をためらう人が少なくないとされています。しかし、時間が経つほど事業者との連絡が困難になったり、口座凍結などの手続きが間に合わなくなったりする可能性があります。被害に気づいた時点で、まずは188に電話して状況を伝えることをおすすめします。契約前の案件についても、怪しいと感じた段階で相談できます。判断に迷う場合は、AI副業の詐欺案件を見分ける10のチェックポイントも参考にしてください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 相談にお金はかかりますか。
A. 消費者ホットライン188の通話は通話料のみで、消費生活センターの相談自体は無料です。警察相談専用電話#9110も通話料のみです。弁護士相談は原則有料ですが、法テラスの無料法律相談を利用できる場合があります。
Q2. 相手の会社名しかわからず、住所や電話番号が不明でも相談できますか。
A. 相談できます。わかっている情報とやり取りの記録を持参してください。情報が少ない場合でも、今後の対応や被害拡大防止の助言を受けられます。
Q3. 家族が契約してしまった場合、本人以外でも相談できますか。
A. 家族からの相談も受け付けている窓口が一般的です。ただし、契約の解除等の手続きには本人の関与が必要になる場合が多いため、本人と一緒に相談することが望ましいとされています。
Q4. 相談すれば必ず返金されますか。
A. いいえ。相談窓口は返金を保証する機関ではなく、事業者の資力や連絡可否など個別の事情によって結果は異なります。それでも、早期の相談は選択肢を広げるうえで有効です。
Q5. 残りの支払いを請求されています。無視してもよいですか。
A. 黙って無視するより、契約を解除する・取り消すという意思を書面やメールで伝え、その記録を残す方が安全です。クーリング・オフの期間内なら書面で通知します。裁判所から支払督促や訴状が届いた場合は無視せず、期限内に異議や答弁書を出す必要があるため、すぐに消費生活センター(188)や弁護士に相談してください。
免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定案件の詐欺該当性や返金の可否を保証するものではありません。個別の状況については、消費者庁、国民生活センター、警察相談専用電話#9110、法テラスにご相談ください。
AI副業相談ナビの相談前整理事例
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