副業詐欺をクレジットカードで払った|支払停止の抗弁と返金の相談

この記事の結論

  • カードの分割払い・リボ払いで払った場合、販売業者との契約を取り消せるなどの事情があれば、カード会社への支払いを止められることがあります(割賦販売法の「支払停止の抗弁」)。
  • 使えるのは、分割払いで支払総額4万円以上、リボ払いで現金価格3万8千円以上のときです。1回払い・2回払いなど契約から2か月以内に払い終える方法は対象外です。
  • 「仕事を紹介するので教材を買って」という業務提供誘引販売は、副業のための契約でも抗弁の対象に含まれます。まずカード会社に連絡し、同時に188へ相談してください。

最終更新日: 2026-10-23

SNSの広告から副業の教材やサポートプランを申し込み、クレジットカードで数十万円を払った後に「話が違う」と気づく相談は少なくありません。カードで払ったお金について、カード会社に何を求められるのかを、割賦販売法の条文にもとづいて整理しました(2026年10月23日にe-Gov法令検索で確認)。

支払停止の抗弁とは

カードの分割払いやリボ払いで買った商品・サービスについて、販売業者に対して主張できる事情(契約の取消し、解除、商品が届かないなど)があれば、その事情を理由にカード会社からの支払いの請求を拒めます(割賦販売法30条の4・30条の5、e-Gov法令検索「割賦販売法」)。この規定に反して購入者に不利な特約は無効です。

支払い方法抗弁の対象か金額の条件(割賦販売法施行令)
分割払い(契約から2か月を超えて払う)対象支払総額4万円以上
リボ払い対象現金価格3万8千円以上
1回払い・2回払いなど、契約から2か月以内に払い終える方法対象外(割賦販売法の包括信用購入あっせんにあたらない)—

金額の条件は割賦販売法施行令で定められています。

副業の契約でも使えるのか

割賦販売法は、購入者が「営業のために若しくは営業として」結んだ契約を適用除外にしています(35条の3の60第1項1号)。ただし、同じ号で連鎖販売個人契約と業務提供誘引販売個人契約は除外の対象から外されています。つまり、「教材を買えば仕事を紹介する」「この仕事を始めるにはツールの購入が必要」といった勧誘で結んだ業務提供誘引販売の契約は、副業のための契約であっても抗弁を主張できる対象に入ります。

業務提供誘引販売には、法定の書面を受け取った日から20日間のクーリング・オフもあります。期間の一覧は副業契約のクーリング・オフ期間一覧にまとめています。

1回払いで払った場合

1回払いは支払停止の抗弁の対象外ですが、何もできないわけではありません。販売業者との契約をクーリング・オフや消費者契約法で取り消し、返金を求めることはできます(消費者契約法で取り消せる場合の一覧)。また、カード会社によっては、加盟店との間の国際ブランドの仕組み(チャージバック)で調査に応じることがあります。チャージバックは法律で決まった権利ではないため、応じるかどうかはカード会社の判断です。

カード会社への伝え方

順番やること
1カード会社の窓口に電話し、利用日・金額・加盟店名を伝えて「支払停止の抗弁を申し出たい」と言う
2販売業者にクーリング・オフや取消しの通知を出す(内容を残せる方法で)
3カード会社から求められたら、抗弁の理由を書いた書面を出す(30条の4第3項は書面の提出に努めるよう定めている)
4カード会社の調査中も、明細と通知の控えを保管する

勧誘の画面、契約内容、支払いの明細、業者とのやり取りが判断の材料になります。残し方は副業トラブルで相談前に残す情報を参考にしてください。教材やツールの代金の返金全般は情報商材の解約・返金請求の方法、借入れまでさせられた場合は遠隔操作で借金した場合にあります。

相談先

  • 消費者ホットライン 188:抗弁の申し出方やクーリング・オフ・取消しの進め方の相談。
  • カード会社の窓口:支払停止の抗弁の申し出、利用明細の確認。
  • 警察相談専用電話 #9110:だまし取られた、脅されているなど犯罪のおそれがある場合。

状況別の使い分けは副業詐欺の相談窓口一覧にまとめています。

よくある質問

一括払いで払ったのですが、カード会社に止めてもらえますか?

1回払いは割賦販売法の支払停止の抗弁の対象外です。販売業者との契約の取消しやクーリング・オフで返金を求める方法を検討し、カード会社にもチャージバックなどの対応ができないか相談してください。

副業のための契約でも割賦販売法で守られますか?

営業のための契約は原則として適用除外ですが、業務提供誘引販売個人契約や連鎖販売個人契約は除外の対象から外されています。仕事の紹介と引き換えに教材などを買わされた場合は、抗弁を主張できる可能性があります。

支払停止の抗弁を申し出れば必ず返金されますか?

抗弁はカード会社への支払いを拒める仕組みで、返金を約束するものではありません。販売業者に対して取消しなどの事情があることが前提になるため、契約内容と勧誘の記録を残して早めに相談してください。

本記事は一般的な情報提供で、個別の契約で抗弁や取消しが認められるかを判断するものではありません。

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